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口腔機能の改善について

小児口腔機能発達不全症とは

小児口腔機能発達不全症とは、食べる、話すといった口腔機能が疾患に起因せず、十分に発達していない状態や機能が不十分な状態を指します。小児口腔機能発達不全症の症状として代表的なのは、嚥下や咀嚼、構音などの機能発達の不十分さです。
近年、小児口腔機能発達不全症のお子さんは増加傾向にあると言われています。お子さん自身には自覚がない場合も多いので、ご家族や周囲の大人が気を付けること、不安や疑問があれば早めに歯科医院に相談することが重要です。発見や対応が早期であるほど唇や舌の好ましくない癖を改善しやすいですし、歯並びの乱れも防止できます。口が空いている時間が多いなどの気付きがあれば、ぜひ当院にご相談ください。

小児口腔機能不全症の治療には保険が適用されます!

小児口腔機能不全症が近年増加傾向にあることを受け、厚生労働省は小児の口腔機能管理の推進を宣言しています。その一環として、小児口腔機能不全症の治療に保険が適用できるようになりました。
15歳未満で、咀嚼や嚥下、構音などの口腔機能が十分に発達できていない場合や、正常に機能獲得できていない場合、検査で条件への該当が認められれば保険診療で治療できます。お子さんの口腔機能発達で気になる点があれば、まずはお気軽に当院にご相談ください。

舌とくちびるの力のバランスが歯並びに影響します

舌や唇に関する好ましくない癖は、歯並びの乱れに繋がります。小児口腔機能不全症の治療は直接的に歯並びを整える矯正治療とは異なりますが、歯並びの乱れを防止するので、お子さんのお口の健康に寄与します。

小児口腔機能不全症チェック!

>小児口腔機能不全症の診断は、日本歯科医学会の「口腔機能発達不全症に関する基本的な考え方」で提示されたチェック項目に準拠して行います。15歳未満であり、咀嚼機能を問うC-1~C-6のいずれかひとつに該当し、かつC-1~C-12のふたつ以上に該当すれば、口腔機能発達不全症と診断される可能性が高いです。チェック項目を以下に記載しますので、まずはお子さんに該当項目があるかをご確認ください。また、判断がつかなくても気になる点があればぜひ当院にご相談ください。

食べる機能

咀嚼機能

C-1…歯の萌出が遅め
C-2…口呼吸や口腔習癖、機能的顎偏位などで歯列、咬合の異常がある(3歳以降の評価項目)
C-3…虫歯が咀嚼に影響している(1歳半以降の評価項目)
C-4…しっかり噛みしめるのが困難(3歳以降の評価項目)
C-5…咀嚼時間が人と大きく異なる(3歳以降の評価項目)
C-6…咀嚼に偏りがある(3歳以降の評価項目)

嚥下機能

C-7…乳児型嚥下の残存による舌の突出(離乳完了後の評価項目)

食行動

C-8…食事の量や哺乳量などの過多過少やムラなどがある

話す機能

構音機能

C-9…音の置換や歪み、省略など構音上の問題がある
C-10…口唇閉鎖不全(安静時に口が空きがち)がある
C-11…口腔習癖(指しゃぶりや舌の突出、口呼吸など)がある
C-12…舌小帯異常(舌小帯が短い、舌小帯が舌の先端まで伸びているなど)がある

その他機能

栄養/体格

C-13…ローレル指数やカウプ指数で痩せ、肥満の具合を評価

栄養/体格

C-14…口呼吸しがち
C-15…口蓋扁桃(喉の奥にあるリンパ組織)の肥大がある
C-16…いびきが出がち
C-17…上記以外に問題点がある

治療のゴール

口腔機能発達不全症の治療に歯並びや噛み合わせの改善を望む方も見受けられますが、この治療のゴールは咀嚼や嚥下、呼吸や構音など、適切な口腔機能の発達や獲得です。口腔機能発達不全症の治療が、歯並びの乱れ防止や顔貌のバランスを整えることに役立つ内容はありますが、それ自体がゴールでないことはご理解ください。
口腔機能が適切に発達していないと、栄養補給やコミュニケーションがしにくい場合がありますし、口呼吸が常態化すると健康上のデメリットが多数あります。お子さんの健康や豊かな社会生活のためにも、適切な口腔機能の発達や獲得を目指しましょう。

高齢者の口腔機能
について

年齢が上がるとともに身体の機能はさまざまな点で低下しがちですが、口腔機能の低下も懸念すべき重要事項です。高齢になるほど歯を失うリスクが上がりますし、嚥下機能の低下も見られます。すると飲食やコミュニケーションに支障が出る可能性が上がり、要介護状態になることが多いです。そのため、口腔機能の低下をできるだけ早期に発見し、お口のトレーニングなどを行って口腔機能の維持や回復に取り組んでいきましょう。

フレイルとは

「フレイル」とは、加齢の影響で身体機能が衰えた状態です。
口腔機能の低下は自分では気づきにくい場合もありますが、「最近硬いものが食べにくい」、「むせることが増えた」といった気づきがある場合、オーラルフレイルが進んでいる可能性があります。できるだけ症状がない段階から歯科医院で定期的に診察を受けるなどして、口腔機能低下を防いで食事や会話が支障なくできるよう、当院と一緒に取り組みましょう。適切なトレーニングを行えば口腔機能の低下を防ぎやすいですし、全身の機能回復につなげることもできます。

オーラルフレイルの
チェックリスト

チェック項目

【1】自分の歯は20本以下である。
  はい / いいえ
【2】半年前に比べて固い物が食べにくくなった
  はい / いいえ
【3】飲み物や汁物等でむせることがある
  はい / いいえ
【4】口の渇きが気になるようになった
  はい / いいえ
【5】普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある
  はい / いいえ
【6】普段の会話で、言葉をはっきりと発音できないことがある
  はい / いいえ

2つ以上あてはまる場合に「オーラルフレイル」

フレイルサイクル

フレイルチェックリストの項目は、個別には些細なことに見えるかもしれません。しかし、口腔機能は多くの筋肉が連携して働くため、いくつかの問題点が重なったとき、連鎖的に不調や生活上の困難が起きがちです。オーラルフレイルが進むと口の周辺の筋肉量が低下して、接触や嚥下障害が起こりやすくなります。すると、栄養失調やサルコペニア(筋力の低下)などに発展することもあるため、まず負のサイクルを起こさないように、予防や早期対応することが重要です。オーラルフレイルチェックリストで2点以上該当項目があれば、早めにご相談ください。

オーラルフレイルを予防しましょう

オーラルフレイルチェックリストに該当項目がある場合や、咀嚼や嚥下、構音などで気になる兆候がある場合、早めに歯科医院に相談することをおすすめします。できれば年に3~4回は歯科医院を受信して、状態の確認や日常生活でのアドバイスを受けましょう。歯科で定期的に検診を受ければ、虫歯や歯周病の予防や全身の健康維持にも役立ちます。

予防歯科

ソーシャル・フレイル(社会性の虚弱)

「フレイル」という言葉は身体機能だけに用いるわけではなく、社会性の衰えを意味する「ソーシャルフレイル」という言葉もあります。オーラルフレイルによって口腔機能が衰えると連鎖的に身体機能にも悪影響が現れることがありますし、飲食や会話がしにくくなると人との関係性も薄れがちです。そのため、口腔機能の低下は結果的に社会性の衰えにもつながります。
しかし、フレイルは医療機関との連携によって回復可能ですから、ぜひあきらめずにご相談ください。

口腔機能低下症について

オーラルフレイルの兆候は些細なことと捉えられがちですが、早めに機能訓練などの対策をするほど維持や回復しやすいことが知られています。また、オーラルフレイルが進行して口腔機能低下症と診断されると保険適用できますから、当院と一緒に回復を目指しましょう。

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